阿久津忠男さん、雅土さんの器(と思い出)

阿久津さんの器、店頭のみの販売ですが取扱いあります。


忠男さんの器は、豪快でいて繊細、瑠璃の発色の美しさ。
無骨な印象であるけれど、お皿は薄く、それでいて歪みがなく、薄いから軽くて使いやすい。

雅土さんの器は優しく懐かしい釉薬、形もどこか懐かしい。
氷砂糖のような美しさがあり、何を乗せようか想像するのが楽しい。

取扱いまでの道のり

初めて作品を見たときに一目惚れして、どうしても扱わせて欲しくて、連絡先を調べ、やっとのことでお話しすることができてお願いをしたけれど、やっぱりいいものは皆注目をするもので、これ以上の新規のお取引は無理とのこと。仕方なし…だけど諦めきれない。

秋の益子陶器市の期間中に山の上の茶屋で親子で個展をするそうで、そこで販売している器は仕入れることが可能ということを教えていただく。
絶対行きます!と勢いで言ったものの、どうやって行こう。
免許は持ってはいるものの運転なんて10年はしていないので危険すぎて無理でやめておく。徒歩だとすると調べてみたら片道1時間半から2時間くらい。最近毎日ウォーキングもしているし、いけるんじゃない?

前日に益子入り、当日は朝から会場へ。
益子陶器市はコロナ禍でしばらく開催ができず、昨年は久々の開催でものすごく盛り上がっている。車は渋滞で全く動いていない。
見たい気持ちを抑えて、まずは山の上の阿久津さんの個展へ。

羽毛より軽く考えていたこともあり、実際は想像の10倍は辛く、歩きながら泣く。
ひたすら山道で、どれだけ歩いても山道。
目的の茶屋が見えているのに歩いても歩いても近づけない(ような気がする)現象を乗り越えて、ようやく目的地へ。

お電話でお話ししただけの、何者かもよくわからない私を阿久津さんは快く迎えてくださる。すでに器は少なくなっていたものの、その中でも選べるだけ選び無事に購入する。嬉しさひとしお来てよかった。
せっかくの機会だし、本当は阿久津さんともっとお話しをしたかったけれど、次から次へとお客様がいらっしゃり、その対応をされていて、あまりお邪魔をするのも気が引けるため退散する。

選んだ器の清算準備に時間がかかるとのことで、その間カヌレとアイスコーヒーをご馳走になる。程よい甘さが美味しく身にしみる。この茶屋はピザが美味しいと評判で、食べれたらよかったけれど、すでに完売だったのでこちらは残念ながら次の機会に。

待っている間、同じように買い付けに来ている方と一緒にお茶をさせてもらい話をする。次にどんな企画をしたいか、いつもどんなことに悩んでいるかなど、いろんなことを話す。あまり同業者と話す機会のない私にとってはすごく刺激になると同時に、自分がどれだけ甘いか思い知らされたり。
結局、帰りはその方が陶器市の会場まで車に乗せてくださいました。本当に本当にありがとうございました。

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益子の陶器市もたくさんの窯元や作家が出店していて、見応え抜群だった。
久しぶりの開催ということもあり、みなさんいつも以上に気合が入っているように見えて、それがとても嬉しい。
窯元や作家に関わらず、益子括りでいろんな器などを買い付けるのも楽しそう。
実現には、車の運転の練習が必須だな…

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今回出会った人たちに、山の頂上まで歩いてきたことを話すと、皆一様に驚いて楽しそうに笑ってくれるので、辛さが報われる思いでした。毎日変わり映えのしない日々だけど、偶然が重なって今まで出会うことがなかった人たちと出会い、それが次に向かう刺激になることがある。阿久津さんの器を見ると思い出す。

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